シリコンウエハーは電子化社会を支える縁の下の力持ち
シリコンウエハーの一般的な製造工程
シリコンウエハーの主な原料は、珪石という鉱物から生成されるシリコンです。
ただ、その製造に使用することができるシリコンは、不純物の含有量が極めて少ない、ほぼゼロに近い高い純度を誇る多結晶シリコンでなければなりません。
このシリコンウエハーの製造に使える多結晶シリコンは採掘された珪石を精錬精製して高純度石英ルツボの中で溶解し、結晶育成技術を使って結晶化されることで作られます。
この製造工程を経て作成された「単結晶インゴット」と呼ばれる存在こそが、シリコンウエハーとなります。
そして、これら単結晶インゴットを1ミリ以下の極めて薄い状態にスライスすることで円盤状に加工し、その円盤状のものにポリッシングやエッチングなどの加工処理を行い表面を鏡面化してはじめてシリコンウエハーができあがります。
なお、その出来上がりが円盤状のものが多いのは、製造工程の途中でできる単結晶インゴットが円柱形なため、それをスライスすると必然的に円盤状になるためです。
シリコンウエハーの製造以外の用途
シリコンウエハーといえば製造を思い浮かべるのが普通ですが、実は製造以外にも用途があるのは意外ではないでしょうか。
製造以外でシリコンウエハーの用途というと、研究や更なる歩留まり改善に繋がる分析などの用途が挙げられます。
シリコンウエハーは、不純物や工程における不備により簡単に歩留まりが悪化するので、歩留まりを高めたり安定させるのは重要な課題です。
その為、シリコンウエハーを扱う大手企業は製造だけでなく、研究開発や改善も並行して取り組み、日々より良いものづくりに挑戦しています。
リサイクルの研究分野においても、シリコンは注目度の高い素材ですし、ウエハーの無駄を減らす意味でも研究対象の1つとなります。
また中古市場では売買が行われており、リサイクルや再利用できる素材ということから、高値で流通することもあります。
このように製造だけに留まらず研究に用いられていることや、リサイクルを目的とした中古市場での流通を知ると、更に理解が深まるのではないでしょうか。